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製品のなかにおけるガソリンの独歩高の構造をつくり、最近では特定石油製品輸入暫定措置法の性急な廃止で、業界を過当競争に追い込んでしまったからだ。
今のガソリン小売価格を仮に一リットル九十二円とした場合、その中身は税金が六十・六円を占める。
これを分解するとガソリン税五十三・八円、石油税二円、原油関税〇・二円、消費税四・六円となる。
税金の高低が問題なのではない。
問題はこのひとつの商品に対する、これだけの複雑な税体系が意味するところで、いかに業界への行政介入が激しかったかを物語るかという点にある。
はリストラだけと、人員削減と同時に過剰精製設備の削減に大きく動き出している。
しかし、収益の源泉が販売にしかない以上、その削減が遅々としたものとならざるを得ないのが実情だ。
かつて同じように設備削減を展開したことがあったが、過当競争から途中で反転増設に走り、ガソリンが輸入水より安いという異常ともいえる事態を招いてしまった。
通産省の石油政策は二〇〇一年の石油業法廃止を視野に自由化を急進させる一方、石油開発、備蓄という側面ではエネルギーの安全保障を前面に押し出すという矛盾した二面作戦を展開しているが、日本の石油産業の行方にはもはや取れる政策は示しえなくなっている。
ガソリン価格の急騰から米カリフォルニアでは小暴動が起こり、日本の九九年度の原油輸入は中東産が八六%を占め、過去最大の依存度を記録した。
「日本の石油産業の灯が消える日」というまるで映画のタイトルもどきの厳しい事態も絵空事とはいえない。
現在のわが国石油産業は戦後の混乱からスタートした。
ユーゴ空爆で石油精製設備が目標となったが、終戦直前、制空権を握った米軍は航空燃料を生産する精製施設を攻撃目標とした。
終戦が見えてきた一九四五年三月、東京大空襲によって、多くの人命、家屋に被害が出たが、実はこの時に日本石油の横浜製油所が初めて攻撃され、焼失した。
米空軍はこれを合図のように製油所攻撃を拡大、太平洋側の民間石油施設十七のうち、九施設が焼失、六施設が被害を受け、無傷だったのはたった二か所だけだった。
一方、日本海側の施設は終戦前日に日石秋田製油所が焼失したほかは六製油所が被害を免れた。
米軍の意図が工業地帯を重視したことが明確だった。
アメリカ側の調査報告によると「アメリカの落とした爆弾はその七%が石油産業に向けられ、全能力の八五%が機能しなくなった」とされている。
日本の石油産業はここから始まる。
戦後しばらくは製品輸入に限られたが、その後、原油を輸入して日本の囲内で精製するという消費地精製主義が基本方針となる。
背景に冷戦の深まりがあった。
この結果、GHQが製油所の復旧を許可、間もなく多くの製油所が復活する。
しかし、その一方で日本の石油会社と国際石油資本の問で資本提携が加速し、なかには現在に民族系の区分はこの時にできたもので、日本の石油産業を複雑至るものも少なくない。
外資系、なものにしてしまった。
そしてこの状況に対して生まれたのが問題の石油業法だ。
石油業法が生まれる前、石油輸入には外貨割り当てという規制があったが、石油については国際通貨基金との合意で、一九六二年の白山化が決まる。
政府は重要物資である石仙輸入自由化による混乱を恐れ、保護と規制の必要から石油業法の立法化を決断、通産省がエネルギー懇談会を設置、原案をまとめた。
同法の具体的な目的は石油の生産、輸入、精製、在庫、製品販売、製品輸出などすべての分野にわたって、濃淡はあるものの石油を完全にコントロールしようというものだったといえる。
反対も少なくなかった。
「石油価格を高値にして業界を保護するものであり、一歩譲っても暫定法にするべきだ」などという声があったが、国際石油資本が自由化でどう動くのか、政府サイドの不安は強く、業法は成立する。
この法律によって、石油業界は通産省のアメとムチの政策から抜け出せず未成熟産業のまま現在に至る。
石油危機によって、原油調達の面などでは自立性を高めるが、一方、その危機の際に決められた「ガソリン尚の灯油安」という歪められた製品価絡体系に悩み、ガソリン乱光を何度も何度も繰り返すという笑えぬ悲劇を展開する結果となっている。
通産省も民族系の中核となることを期待しての共同石油設立、上流部門強化としての石油開発公団設立など、石油業法を背景にした石油政策を展開するが、これが民族系をも二分して業界をさらに複雑化してしまう結果となり、見るべき成果を上げることはできなかった。
この間に進む規制緩和という時代の要請があり、石油製品の自由化を意味する特石法の廃止に始まる一連の自由化策に傾き、最終的には、二〇〇一年の石油業法廃止を打ち出すにいたっている。
もはや逆戻りはできない。
日本の石油産業は戦後初めて否応なく自立を求められている。
メジャーの静かな復権石油開発といえば国際石油資本がある。
かつてセブン・シスターズと称されて、石油輸出国機構の登場まで原油市場を思うがままに操った。
そのメジャーも石油危機以降、中東産油国から締め出され、潜行を余儀なくされていたが、最近、再びメジャーの名前が良く聞かれるようになってきた。
BPとAMOCO合併もそのひとつの例だろう。
日本の原油輸入は二十五年以上前の第一次石油危機のころは、八割以上がメジャー経由。
自らが産油国と交渉して輸入するということが日本の石油会社にはできなかったりだ。
メジャーは生産、輸送、そして消費の段階まで一貫して、石油を支配していたといっても過言ではなかった。
メジャーなくして、石油もなかったといってもいい。
石油危機はこれを一変させた。
メジャーは産油国の石油利権を失い、日本の石油会杜も自ら産油国から直接、石油を輸入する。
いわゆるDD原油の登場となる。
今やこのDD原油が当然と・なって、DDという言葉すら消滅してしまっている。
そして、メジャーも主役の座から降りる。
しかし、メジャーに代わって主役となった産油国、OPECも無傷ではいられなかった。
急激な原油値上げの反動で、先進国に省エネルギーの機運が高まり、原子力発電の普及も早まる。
さらに石油の分野では北海油田の登場など非OPEC原油の比率が高まるなどの事態となり、OPECは価格維持のために、減産につぐ減産を強いられ、今は財政難にあえぐところが少なくない。
この大きな流れの底流にあるのが実はメジャーの存在という見方がある。
確かにメジャーが表面上大きな問題になることはない。
それにこれからも石油危機以前のような形でメジャーが行油を表立って支配することもないだろう。
しかし、メジャーの静かな復権はもっと注目されていいのではないだろうか。
産油国を追い出されたメジャーは南米、あるいはアフリカなどで、これまでの石油開発技術を飛躍的に発展させた。
かつて「千三つ」といわれた油田発見の技術を今では「百三つ」、いやそれ以上といっていいレベルにまで高めたとされている。
一川旧からの原油同収率を大幅に改善する技術も発展させた。
メジャーは臥薪嘗胆、人目をひくことは少なかったが、静かな復権を結果として計っていたことになる。
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